説明
町のあらゆる場所で見かける片方だけ落ちている手袋、通称“片手袋”。基本的には人間が生きて活動している場所であれば、頻度の差こそあれどんな場所でも発生する可能性があります。
しかし、世の中には毎日毎日“必ず”片手袋が発生し続ける、「片手袋の聖地」と呼べる場所もいくつか存在しています。その筆頭が築地場内市場でした。
ご存知の通り、築地場内市場は2018年10月6日にその役目を終え、およそ80年の歴史に幕を下ろしました。築地場内では何故、大量の片手袋が生み出されていたのか?築地の片手袋にはどんな特徴があったのか?そして、片手袋を通して見る築地場内そのものの魅力はどんなところにあったのか?
放っておけばすぐに忘れ去られてしまう築地や築地の片手袋たちの記憶。それを語り継げるのは、仕事で築地に20年近く通い続け、なおかつ片手袋研究家である私以外にいるだろうか?いや、いない。
という訳で、築地閉幕に併せ緊急制作したのが本書であります。築地場内という場所が物理的に消え去っても、読者の心の中に思い出として生き続けてくれるよう願っております。
■product info
A5サイズ
24ページ
フルカラー
(文:石井公二)